EIMEI教育グループ代表・川上大樹の著書『教えなければ子は育つ ― AIに負けない「考え抜く力」を授ける見守り術』エビデンス増補版より、毎日すこしずつお届けします(17/26)。増補版では、中室牧子『「学力」の経済学』をはじめとする教育経済学の研究を各章に織り込みました。この連載では、増補版で新しく書き下ろした「根拠」の部分をお届けします。
本章でお伝えした雪だるま式暗記も、音読30回も、15分ルールも、根っこは同じ一つの原理につながっています。それが、このあとの【脳科学コラム】で扱う検索練習です。
ここでは、その前に一点だけ確認しておきます。
「わかりやすい方法」ほど、記憶に残らない
学習科学の世界には、望ましい困難(Desirable Difficulties)という有名な考え方があります。学習中に感じる「スムーズさ」と、後から思い出せるかどうかは、しばしば逆になるという原理です。
・きれいにまとめたノートを何度も読み返す → 楽。でも定着しない。
・教科書を閉じて「何が書いてあったっけ」と絞り出す → 苦しい。でも定着する。
・1日で英単語を50回書く → その日は覚えた気がする。でも1週間後に消える。
・毎日10回ずつ、5日に分けて見る → 途中で忘れる。でも長く残る。
本章の「雪だるま式」が、なぜ「ところてん式」に勝つのか。それは、前日の範囲に必ず戻ることで、忘れかけた状態から思い出す作業が毎日発生するからです。忘れかけているという「困難」こそが、記憶を強くします。
だから私は生徒にこう言います。
「戻ることは、遠回りではない。記憶を定着させるための杭打ちだ」
なぜそう言い切れるのか。その科学的な仕組みを、このあとの【脳科学コラム】で詳しくお話しします。
EIMEIグループ(エイメイ学院・明成個別・EIMEI予備校)では、この「自学自伸」の考え方で子どもたちの学びを見守っています。無料体験・ご相談はお気軽にどうぞ。
