EIMEI教育グループ代表・川上大樹の著書『教えなければ子は育つ ― AIに負けない「考え抜く力」を授ける見守り術』より、毎日すこしずつお届けします(10/58)。
時間を埋める前に決めるべきこと
適切な目標(人参)がセットされたら、次はその人参を掴み取るためのスケジュール作成です。ここで多くの人が陥る、典型的な間違いがあります。
それは、いきなりカレンダーや時計を見ながら予定を埋め始めることです。
「月曜日は19時から数学、20時から英語、21時からは……」学校の時間割のように、きれいな時間枠を先に決めてしまうやり方は、あまり推奨できません。
なぜなら、勉強の中身は、時間では測れないからです。「1時間数学をやる」と決めても、簡単な計算問題なら10ページ進むかもしれませんが、難しい応用問題なら1問に30分かかるかもしれません。
中身を無視して箱(時間)だけ用意しても、中身が入り切らなかったり、逆にスカスカになったりして、計画倒れになるのがオチです。
料理と同じ! 見通しを立てるのが鉄則
スケジュール作成の鉄則は、内容を決めてから時間に落とし込むという順番です。
料理を作る時だってそうですよね。「1時間料理をする」と決めるのではなく、「カレーを作る」と決めてから、「じゃあ野菜を切るのに10分、煮込むのに20分……」と時間を見積もるはずです。
具体的な手順は以下の通りです。
1.現状把握:まず、敵を知ることです。教科別にどれくらいの勉強が必要か考えます。
2.内容決定(ToDoリスト化):目標達成のために「何を」「どのくらい」やる必要があるかをリストアップします。
3.時間見積:その内容をこなすのに、今の自分ならどれくらい時間がかかるかを見積もります。
4.配置:最後に、それをカレンダーや1日のスケジュールに配置します。
この見通しを立てる作業こそが、自学自伸の力を育てます。ただ漫然と机に向かうのではなく、「この量の課題を終わらせるには、今週これだけのペースで進めないと間に合わないぞ」という全体像を把握させるのです。
最初は見積もりが甘く、終わらないこともあるでしょう。それでもいいのです。「自分は計算に意外と時間がかかるんだな」と気づき、次の計画修正に活かせばいいのです。
教科によってやる時間帯を変える
また、教科の特性や生活リズムを考慮することも重要です。脳の状態に合わせて、最適な勉強を配置するのです。
例えば、数学の応用問題や国語の読解問題などは、深い思考力を要します。部活でヘトヘトに疲れて帰ってきた平日の夜22時にやろうとしても、脳が働かず、ただ眺めているだけで終わってしまいます。
これらは、脳が元気な休日の午前中や、平日でも比較的早い時間帯に配置すべきです。
一方で、英単語や漢字、社会の用語暗記などは、単純作業に近い側面があります。これらは、細切れの時間や、夜寝る前に配置します。
特に暗記ものは、寝る直前にやって、睡眠中に脳に定着させるのが効率的と言われています。
「とりあえず1日3時間」という量的な目標ではなく、目標達成に必要なタスクを、最適なタイミングで配置する戦略的なスケジュールを作れるように導くのが、親の役割です。
EIMEIグループ(エイメイ学院・明成個別・EIMEI予備校)では、この「自学自伸」の考え方で子どもたちの学びを見守っています。無料体験・ご相談はお気軽にどうぞ。
