歯磨きのように当たり前の習慣に

EIMEI教育グループ代表・川上大樹の著書『教えなければ子は育つ ― AIに負けない「考え抜く力」を授ける見守り術』より、毎日すこしずつお届けします(20/58)。

脳を自動操縦モードに切り替える

皆様に質問です。毎日、歯を磨くときに「よし! 今日も気合を入れて磨くぞ!」と自分を奮い立たせますか? おそらく、無意識のうちに手が動いているはずです。

そこにやる気という熱い感情は介在しません。ただやるものだからやった。これが習慣です。

習慣とは、意志の力を全く使わずに、脳の自動操縦モードで行動できる状態のこと。 勉強における最終ゴールも、ここにあります。

夕飯を食べたら自然と机に向かい、ノルマをこなさないとなんだか口の中が気持ち悪い夜のように眠れない。ここまで到達すれば、本人には努力しているという感覚すらなくなります。苦痛がないのですから、最強の状態です。

初期段階では親の愛ある介入が必要

しかし、最初からこの境地に達する子はいません。誰でも最初は、歯磨きすら嫌がって苦労したはずです。

2歳児にとって、歯磨きは何のメリットもありません。親がいくら論理的に「エナメル質が溶けるよ」と説明しても響きません。遊びたいという本能の方が、1000倍も強いのです。

では、親はどうするか。「嫌がっているから自主性に任せよう」と放置はしませんよね。羽交い締めにしてでも磨くはずです。それは、親が歯磨きの重要性を痛いほど知っているからです。

勉強の習慣化も、全く同じです。自主性という言葉を隠れ蓑にして、やるべきことをやらない子を放置してはいけません。理性のブレーキが未熟な子に対して、ある程度の強制力や環境設定を用意してあげること。これが、大人の責任ある愛情だと私は考えます。

歯磨きに学ぶ習慣化3つのヒント

それでは、習慣化に大事な3つのことをお伝えします。

1. トリガー(きっかけ)を決める: 「AをしたらBをする」というセット行動を作ります。「学校から帰って手を洗ったら、まずカバンを開ける」など、生活の流れの中に勉強スイッチを固定しましょう。

2. スモールステップから始める: いきなり「毎日3時間」は挫折します。まずは「机に座ってテキストを開くだけ」「計算を1問解くだけ」など、ハードルを地面に埋めるくらい下げて、心理的な抵抗を減らします。

3. 報酬と称賛を忘れない: 脳は、行動の直後にいいことがあると「また繰り返そう」と学習します。点数という結果ではなく、「昨日より集中していたね」と行動そのものを認めてあげることが、心のガソリンになります。

自覚が芽生えるその日まで、大人が伴走し、習慣というレールを敷いてあげてください。

習慣は一生ものの財産になる

気分が乗る日も、雨の日も、決めたことを淡々とこなす。そこに感情を挟まない。 この訓練は、将来社会に出たときに信頼される人になるための土台になります。

習慣化には平均66日かかると言われます。この2〜3ヶ月、子は何度も挫折しそうになります。 そんなときこそ、叱り飛ばすのではなく、マラソンのペースメーカーとして並走してあげてください。

習慣化さえできれば、あとは放っておいても子は勝手に伸びていきます。勉強が当たり前になるその日まで、根気強く、しかし楽観的に、今日の一歩を踏み出していきましょう。

EIMEIグループ(エイメイ学院・明成個別・EIMEI予備校)では、この「自学自伸」の考え方で子どもたちの学びを見守っています。無料体験・ご相談はお気軽にどうぞ。

この記事を書いた人

HIRO 川上ヒロ先生