高校受験の準備が本格化する中3の時期は、模試の結果や定期テストの点数が気になるあまり、子どもも保護者もどうしても「できないこと」にフォーカスしがちです。しかし、自分を信じる力——自己肯定感——は、受験勉強の質にも、当日の本番力にも深く関わっています。「もっと頑張れるはず」という期待は大切ですが、それと同時に、今の自分をしっかり認めることが、長い受験期を乗り越えるエネルギーになります。今回は、ふじみ野市をはじめ東武東上線沿線エリアで多くの受験生と関わってきた経験をもとに、今日から取り入れられる実践的なTipsをお伝えします。
なぜ受験期に自己肯定感が大切なのか
自己肯定感とは、「自分は価値ある存在だ」「自分はやればできる」と感じる心の土台です。これが安定していると、模試で思うような結果が出なかったときでも「次はどうすればいいか」と建設的に考えられるようになります。逆に、自己肯定感が低い状態が続くと、失敗を引きずりやすくなり、勉強に向かうエネルギーそのものが落ちてしまいます。点数や偏差値といった数字だけを追いかける期間が長くなるほど、「できない自分」が積み重なって見えやすくなるため、意識的に「できていること」を拾い上げる習慣が必要です。
子ども自身でできる5つのTips
① 「できたこと」を毎晩1つ書き出す
寝る前に、その日「できたこと」「わかったこと」を1つだけノートに書きます。「数学の二次方程式の解き方を1問通して解けた」「英単語を10個覚えた」など、小さなことで十分です。継続することで、自分の成長を客観的に見られるようになります。
② 「完璧」より「昨日の自分より少し前へ」を目標にする
友人や模試の平均点と比べるのではなく、「昨日の自分と比べてどうか」を基準にしましょう。比較の対象を過去の自分にすることで、小さな進歩を確実に感じられます。
③ 「できない問題」を「まだできない問題」と言い換える
言葉は思考のクセを作ります。「この問題、わからない」ではなく「この問題はまだわからない」と、たった一言加えるだけで、未来に向かった視点に変わります。受験勉強はゴールまでのプロセスであり、今できなくても練習すれば伸びるという視点を持つことが大切です。
④ 得意な教科・単元を週に1回必ず復習する
苦手克服も重要ですが、得意なところを定期的に触れておくと「自分はこれならできる」という感覚を維持できます。自信の核になる科目を1つ持つことが、受験期のメンタルの安定につながります。
⑤ 模試の点数が下がっても「分析の材料」と捉える
北辰テストなどの模試で結果が振るわなかったとき、その数字を「自分の価値」と結びつけないようにしましょう。模試はあくまで現時点の習熟度の確認ツールです。「どこが取れなかったか」を冷静に見ることが次の一手につながります。
保護者ができる5つのTips
① 結果より「プロセス」を具体的にほめる
「よくできたね」よりも「今日は夕食後すぐに机に向かっていたね」「難しそうな問題に何度も取り組んでいたね」と、行動や姿勢を具体的に認める言葉をかけましょう。プロセスへの注目は、子どもに「頑張る姿を見てもらっている」という安心感を与えます。
② 会話の最初に「どんな勉強した?」を「今日はどうだった?」に変える
帰宅後すぐ「勉強は?」と聞くと、子どもは「また評価されている」と感じやすくなります。まず子どもの気持ちや今日の出来事に関心を向ける一言を先に添えるだけで、会話の雰囲気が変わります。
③ 志望校の話は「不安の共有」より「楽しみの共有」から入る
「このままで大丈夫?」という問いかけは、子どもの不安を増幅させることがあります。代わりに「その学校のどんなところに惹かれてるの?」と、志望校への期待や楽しみを引き出す問いかけを意識してみてください。目標と希望を自分の言葉で語ることが、モチベーションの維持につながります。
④ 「比較」の言葉を使わない
きょうだいや友人・クラスメートとの比較は、たとえ励ましのつもりであっても、子どもの自己肯定感を傷つけることがあります。比較するなら「以前のあなた」か「目標」との比較にとどめましょう。
⑤ 「休む日」を一緒に計画に組み込む
受験期は「休んではいけない」という空気になりがちですが、適切な休息は集中力の回復に必要です。週に半日でも、勉強を気にせず好きなことをしていい時間をあらかじめ計画に組み込んでおくと、子どもも「計画どおりに休んでいる」という罪悪感のない安心感が生まれます。
まとめ——自己肯定感は「結果が出てから育てるもの」ではない
自己肯定感は、成績が上がったから高まるものではなく、日常の小さな積み重ねによって育まれるものです。ふじみ野市や東武東上線沿線で受験勉強に向き合っている中3生のみなさん、そして傍で支えている保護者の方も、今日ご紹介したTipsをどれか1つから始めてみてください。入試当日に「自分ならできる」と思えるかどうかは、この時期の日々の関わり方が積み重なった結果です。点数を伸ばすことと、自分を信じる力を育てることは、決して矛盾しません。両方を大切にしながら、残りの受験期を歩んでいきましょう。
※本記事の制度・配点等の情報は記事執筆時点のものです。最新の正確な情報は埼玉県教育委員会および各高校の公式発表をご確認ください。
