「埼玉県の高校受験って、なんだか他県と違って複雑」——そう感じている中学生・保護者の方は多いと思います。じつは埼玉の入試は、当日の点数だけで決まらないこと、中1からの内申が積み上がること、北辰テストや私立確約という独自文化があることなど、知っているかどうかで戦略がまるで変わります。
この記事では、富士見市・ふじみ野市・川越市エリアで30年以上指導してきた EIMEI教育学習塾グループの視点から、2026年度入試を意識して「埼玉県の高校受験のしくみ」を一通り整理します。中1のうちから知っておくべきこと、中3になってから慌てないために押さえるべき制度を順にまとめました。
1. 埼玉県公立高校入試の全体像
埼玉県の公立高校入試(一般選抜)の合否は、大きく 2つの要素で決まります。
- 学力検査:5教科 × 各100点 = 500点満点(国・数・英・理・社)
- 調査書(内申点):中1・中2・中3の成績+特別活動の記録
この2つを志望校ごとに決まった比率で合計し、ボーダーラインで合否を判定します。比率は学校・コースごとに違い、例えば 6:4(学力検査重視)/5:5(バランス型)/4:6(内申重視)といったパターンがあります。第2次選考・第3次選考で比率が変わる学校もあるため、志望校決定の前に必ず公式の入学者選抜要項を確認してください。
2. 内申点(調査書)は中1から始まっている
「内申」と聞くと中3の成績だと思われがちですが、埼玉県では中1からの成績が調査書に積み上がります。学校・学年ごとの基準点は次のイメージです(学校により傾斜あり)。
- 中1の成績
- 中2の成績
- 中3の成績(最も比重が大きい)
- 特別活動(部活動・生徒会・委員会・ボランティアなど)
- 英検・漢検・数検などの資格
つまり、「中3から本気を出そう」では、上位公立はかなり厳しいのが埼玉の現実です。中1の中間テストから、定期テストごとに「内申を1上げる」意識を持つだけで、3年後の選択肢が大きく広がります。
3. 「北辰テスト」とは何か
埼玉の高校受験で必ず登場するのが 北辰テスト(北辰図書が実施する県内最大の業者模試)です。中3生は例年、4月から1月にかけて年8回前後受験できます。中3の夏(7月)以降の北辰偏差値が、後述する私立の併願確約に直結するため、埼玉県の中学生にとって事実上の必須模試となっています。
北辰偏差値は埼玉の母集団に最適化されており、県内志望校の合格可能性を測る最も精度の高い指標です。逆に言えば、首都圏全体の模試(V模擬・Wもぎなど)の偏差値で埼玉の私立を判定しようとすると基準がズレるので注意が必要です。
4. 私立併願「確約」のしくみ
埼玉県独自の文化として有名なのが、私立高校の「個別相談」と「確約」です。これは、夏〜冬にかけて私立高校が会場で行う個別相談会に、北辰偏差値(過去数回分の良い偏差値)と内申点を持参すると、その場で「うちの基準を満たしているので、公立がダメだった場合は受け入れます」というニュアンスの口頭での確約をもらえる、というしくみです。
これが取れていれば、公立第一志望でも安心してチャレンジできるのが埼玉受験の最大の特徴。多くの公立志望者は夏休み中に内申を整え、9〜11月の北辰で偏差値を取りに行く戦略を組みます。確約の基準は学校・年度・コースごとに異なるため、必ず最新の個別相談で確認してください。
5. 「学校選択問題」とは
埼玉県の公立高校入試で上位22校前後(年度により変動)が採用しているのが、学校選択問題という難化版の入試問題です。対象は 数学と英語。同じ「埼玉県公立高校入試」でも、標準問題校と学校選択問題校では実際に解く問題が違うため、過去問演習の段階で意識が必要です。
代表的な実施校:
- 浦和、浦和第一女子、大宮、川越、川越女子、春日部、熊谷、熊谷女子、不動岡、越谷北、所沢北、和光国際、市立浦和 など
難化版とはいえ、基礎が完成していないと標準問題でも学校選択問題でも結果は変わりません。中1〜中2のうちは「学校選択問題対策」を意識するより、定期テストでしっかり点を取り、内申を積むことが最短ルートです。学校選択問題への切り替えは、中3の夏以降で十分間に合います。
6. 学年別「いつ・何を」やるべきか
中学1年生
- 定期テストで内申「4」以上を全教科でキープ
- 英語・数学の基礎を固める(中1の積み残しは中3で必ず重荷になる)
- 部活動・委員会など、特別活動の記録を残し始める
中学2年生
- 定期テストで内申を1上げる(4→5を狙う)
- 英検3級〜準2級にチャレンジ(私立確約・特色加点で有利)
- 中2の終わりに北辰テスト「中2北辰」を1度受けて立ち位置を確認
中学3年生
- 4〜6月:1学期の内申を取りに行く(中3の内申は最重要)
- 夏休み:5教科の総復習+過去問演習開始
- 9〜11月:北辰テストで偏差値を取り、私立個別相談で確約を取りに行く
- 12〜1月:公立の過去問・学校選択問題対策・記述対策
- 2月:公立入試本番(例年2月下旬)
7. 「家から通える」と「合格を狙える」の両立を
富士見市・ふじみ野市・川越市・志木市・三芳町から通える上位公立としては、川越高校・川越女子高校・川越南高校・所沢北高校・和光国際高校などが選択肢になります。最寄りの東上線・川越線で通学できる範囲を中心に、本人の学力と通学時間のバランスで決めるのが現実的です。
エイメイ教育学習塾グループでは、EIMEI予備校で高校受験〜大学受験まで一貫した指導を行っており、川高・川女など難関公立を狙うコースとしてEIMEI-TOPを運営しています。「行ける高校ではなく、行きたい高校」を実現するための学習設計を、お子さま一人ひとりに合わせてご提案しています。
まとめ:埼玉の高校受験は「情報戦」
同じ偏差値でも、内申点・北辰偏差値・私立確約の有無で、戦略はまったく変わります。「知っている家庭」と「知らない家庭」で、3年後の進路に差がつくのが埼玉の現実です。
この記事が、お子さまの高校受験を考え始めるきっかけになれば嬉しいです。「うちの場合はどう動けばいい?」というご相談は、いつでもエイメイ教育学習塾グループの各校舎へお気軽にお問い合わせください。
※本記事の制度・配点・実施校等は2026年5月時点の情報をもとに記載しています。最新の正確な情報は、必ず埼玉県教育委員会および各高校の公式発表をご確認ください。
