EIMEI教育グループ代表・川上大樹の著書『教えなければ子は育つ ― AIに負けない「考え抜く力」を授ける見守り術』より、毎日すこしずつお届けします(16/58)。
「全部わかりません」は思考停止のサイン
「我々は教えない塾を目指す」と申し上げましたが、それは放置するという意味ではありません。もちろん質問は大歓迎です。
ただし、生徒には質問の質を変えてもらいます。ダメな質問の典型は、「先生、ここ全部わかりません」です。
全部わからないということは、日本語が読めないということでしょうか? そんなことはありません。どこまでわかって、どこから詰まったのかを探す面倒くささから逃げて、先生に丸投げしているのです。
この質問に対して、一から十まで説明してしまう先生は、優しいのではなく、生徒をダメにしています。
賢い子はピンポイントで質問する
我々が生徒に求める質問の作法はこうです。「まず解説を読む。そして、その解説内で理解できない場所をピンポイントで質問する」。
「先生、3行目の合同条件まではわかります。でも、なぜ4行目で突然この結論になるのかがわかりません」
これが最高に質の高い質問です! ここまで絞り込めるということは、生徒は自分の頭で考え、それでもわからない壁にぶつかったということです。この状態なら、先生の一言のアドバイスだけで、生徒は深い理解とアハ体験を得ることができます。
先生の役割は壁打ち相手
ここでも先生は、すぐに答えを教えません。逆に「ここまでどう考えたか、先生に説明してみて」と促します。
人に説明しようと言語化しているうちに、自分の思考の矛盾に気づき、自己解決することも多々あります。先生の役割は、答えを与えることではなく、生徒の思考の絡まった糸を解きほぐすための壁打ち相手になることです。
焦らず補助輪を外していく予告を
とはいえ、勉強習慣がない子に、いきなり「解説を読んで質問しろ」と言っても無理な話です。初期段階の生徒には、解説の読み方から手取り足取り教えます。
しかし、その期間はずっとは続きません。「今は丁寧に教えるけど、来月からは解説を読んでから質問に来ようね」と、徐々に補助輪を外していく予告をし、自立へと導いていきます。
EIMEIグループ(エイメイ学院・明成個別・EIMEI予備校)では、この「自学自伸」の考え方で子どもたちの学びを見守っています。無料体験・ご相談はお気軽にどうぞ。
