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先生は教育実習を断りました。 ・・・僕たちのために。
自分の夢を、僕たちのために断念したのです。 と、当時中3になった僕たちは皆そう思いました。 ある時、授業中に田中が言いました。 「先生、すみませんでした。 こんな俺たちのために、先生の大切な夢をあきらめさせてしまって・・・。」 僕たち12人みんながそう思っていました。 すると先生はこう答えました。 「先生の夢は先生になること・・・。 そりゃあの時は相当迷ったよ。 でもさ、この俺を必要としてくれる生徒がいる。 そんな生徒を捨てて学校の先生になれたとしても、きっと良い先生にはなれないよ。 生徒から愛され、本当に信頼される先生になるには、まず、生徒を裏切らないこと。 そうじゃないかなあと思って・・・。 それにさあ、田中、誰が夢をあきらめたって? この俺は夢をあきらめたりはしない。 学校の先生だけが先生じゃないだろう。 学校とか塾とかそんなワクはどうでもいい。 そんなワクを全部とっぱらって、本当の先生になりたい。真の先生になりたい。 生徒達のために命を賭けられる先生になりたい・・・。 みんな見ててくれよな。 何年かかるかわからんが、必ず立派な先生になってみせる。 『夢』 見たものは必ずかなう。」
「すごい人だな・・・。」 と思いました。 この時すでに、 先生は僕にとって本当の先生でした。 そして僕は心の中でこう誓いました。 「僕もこの人のために命を賭けよう。」 と・・・。 |
つづく・・・ 滝沢 賢:著 |
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